建設・建築
2017.05.17

ドローン空撮測量とは | 精度や方法、メリット、価格は?

ドローン空撮測量は、時間やコストの大幅な削減が期待される新しい測量技術です。一方で、精度についてはま …

ドローン空撮測量は、時間やコストの大幅な削減が期待される新しい測量技術です。一方で、精度についてはまだまだ検証が進められている最中とのこと。今回は、ドローン空撮測量の方法や精度、メリットやかかる費用などについてご紹介します。

ドローン空撮測量とは

空を飛ぶドローン

ドローン空撮測量は、低空飛行させたドローン(無人航空機/UAV:Unmanned Aerial Vehicle)にカメラを搭載して空中から撮影し、画像を解析して地形の三次元(3D)モデル化を行う新しい測量方法です。

これまで上空からの測量は、航空機や衛星画像を用いた航空写真測量が一般的でした。それと比べてドローン空撮測量は手軽で、低空飛行による高解像度な写真を撮影できるのが魅力です。

ICT技術を全面的に活用した建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction(アイコンストラクション)」という国土交通省によるプロジェクトでは、ドローンによる3次元データの作成が重要な項目と位置づけられています。

ドローン空撮測量の精度については、様々な分野の研究者や実務者によって検証が進められている途上ですが、特にスピードが求められる災害現場などで活用できるのではと言われています。

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ドローン空撮測量に資格は必要?

現時点では、ドローンによる空撮測量に必要な資格はないようです。ただし、ドローン測量は、測量の分野のうちの一つの方法なので、測量士や測量士補などの測量に必要とされる資格は持っていなければなりません。

また、必要な知識としては、ドローンの操縦方法や目的別の機体、カメラの選び方、設定方法、撮影した画像から3次元データを作成する画像解析ソフトの使い方などの知識が挙げられます。※オートパイロットによる自動操縦の場合は、操縦方法に関する知識がなくても大丈夫です。

ドローンの操縦に関しては、ドローン検定(無人航空従事者試験)というドローンの資格が存在します。これは民間資格なので法的な効力はありませんが、ドローンの操縦方法を学び、資格を取っておきたい場合には、受験してみると良いでしょう。

空撮測量の種類と比較

空撮測量には、ドローン空撮測量、航空レーザー測量、航空写真測量の3種類があります。ここでは、3種類の空撮測量の方法やメリット、デメリット、価格を比較しながら紹介します。

航空レーザー測量

航空レーザー測量は、航空機や小型のヘリに載せたレーザー測距装置などで地上にレーザー光を当て、地上から反射するレーザー光との時間差から得た地上までの距離と、慣性計測装置(IMU)やGPS測量機から得られる航空機の位置情報より、地上の標高や地形を調査する測量方法です。最も精度の高い測量方法と言われています。

航空レーザー測量で得られる高さのデータは、建物や樹木の高さを含む数値表層モデル(DSM:Digital Surface Model)ですが、建物や樹木の高さはフィルタリングで取り除くことで、地表面の高さがわかる数値標高モデル(DEM:Digtal Elevation Model)を得ることができます。

ドローン空撮測量と比べて高価で、手軽に行えないというデメリットがある一方、ドローン空撮測量では得ることのできないDEMを得られるメリットもあります。

ちなみに、ドローンにレーザー測量器などを搭載する測量技術はまだ研究中で、実用化されていないようです。

航空写真測量

航空写真測量は、航空機や人工衛星に載せたカメラで撮影した画像を用い、現地調査や編集を行い地形図を作成する測量方法です。地表の垂直写真は連続的に6~8割ずつラップ(重複)させながら撮影します。

航空レーザー測量と同様、手軽さには欠け、低空で撮影できるドローン空撮測量と比べて、画像の解像度は低くなりますが、広域地図の作成など広域の網羅的な計測に適した測量方法です。

測量方法 特徴 メリット デメリット 価格
ドローン空撮測量 低空飛行のドローンで写真を撮影して画像を解析し、3D地形モデル(DSM)を作成 ・手軽に撮影できる・比較的安くコストを削減できる・低空飛行可能なため高解像度の写真を撮影可能 植物が茂った場所での地面地形データの計測が難しい 比較的費用が安い
航空レーザー測量 航空機や小型ヘリにレーザースキャナを載せ、3次元計測を実施 測量の精度が高い(地図情報レベル500まで)・建物などの高さを取り除くフィルタリングができるため数値標高モデル(DEM)を作成可能・地形の詳細まで描画できる 航空機などを使うため、手軽に撮影できない 最も高い(航空写真測量の約2倍)
航空写真測量 航空機や人工衛星に載せたカメラで撮影した画像から地形図を作成 広域を効率的に計測できる 航空機などを使うため、手軽に撮影できない 比較的費用が高い

測量用ドローンの種類と価格

空撮測量に使われるドローンには、測量専用のものもありますし、そうでないものもあります。ここでは、空撮測量の現場で使用されることのあるドローンをいくつかご紹介します。

DJI Phantom4 PRO

【価格】204,000円
【最大飛行時間】28分間

操作が簡単で、本格的な撮影ができるDJI社のドローンです。機体後方のステレオ・ビジョン・センサーと左右の赤外線センサーにより、4方向の障害物を避けることができます。目的地をタップするだけで、目的地まで飛ばすことができ、自動帰還機能が搭載されているため、戻すのも簡単です。

DJI ドローン PHANTOM 4 PROはこちら!

DJI Inspire2

【価格】383,000円〜
【最大飛行時間】27分間

速度と敏捷性に優れ、わずか5秒で停止した状態から時速80kmまでの加速することができます。デュアル・バッテリー・システム搭載なので、最大飛行時間が長くなっています。画像処理システムは、 Adobe Cinema DNG RAWやApple ProResなどに対応しており、最大5.2Kの動画まで撮影できます。

DJI Inspire2はこちら!

Luce Search SPIDER

【価格】要問い合わせ
【最大飛行時間】10〜25分間

SPIDER(スパイダー)は、Luce Search(ルーチェサーチ)社の自律飛行可能なドローンです。機体に内蔵されたGPS、ジャイロセンサーによって安定した飛行ができます。機体重量がおよそ4kgと比較的小型でありながら、フルサイズの一眼レフカメラも搭載できます。

enRoute Zion QC730

【価格】要問い合わせ
【最大飛行時間】40分間

Zion(ザイオン) QC730は、産業用ドローンメーカーのenRoute(エンルート)社のドローンです。長時間の飛行、気圧センサーによる高度安定、GPSによる自動航行が可能なので、空撮測量に適しています。測量に必要なものが揃った測量用のセットもあります。

TPホールディングス SKY-Mapper

【価格】要問い合わせ
【最大飛行時間】12〜16分間

SKY-Mapperは、TPホールディングスの測量用ドローンです。独自開発された新型3軸カメラジンバルにより、高い操作性と安定性を実現しています。コンパクトで折りたたみも可能なので、持ち運びも楽にできます。

ドローン空撮測量の方法

ドローン空撮測量の方法は、機体や解析ソフトなどによって異なりますが、測量方法の一例をご紹介します。国土地理院では、UAVを用いた公共測量マニュアルを公開しているので、こちらもご参照ください。

1. 踏査(とうさ)

現場の地形の形状を把握し、離着陸の場所や計測対象物を明確にします。同時に、周辺の障害物なども確認します。

2. 飛行計画(フライトプラン)作成

地図をもとに、飛行ルートを決めます。専用のソフト(ドローン飛行のコントロールに対応したもの)を使い、撮影高度や撮影間隔、写真ラップ率などを考慮して、ルートを計画します。

3. 既知点の設置

現地に既知点(GCP)を設置します。これを写すことで、撮影するカメラの三次元位置を測定することができます。既知点は、トータルステーションやGNSS測量器を使って、基準点座標値(X・Y・Z)を観測します。

既知点の設置については、工事の進捗とともに設置と撤去を繰り返さなければならず、作業効率が課題とされていますが、既知点を設置せず、ドローンの飛行経路をトータルステーションによって自動追尾することで、カメラの三次元位置を測定する「自動追尾型トータルステーション」という技術も開発されています。

4. 撮影

設定したルートの通りドローンを自動飛行させ、写真を撮影します。

5. 解析準備

撮影に使用したカメラのカメラ標定を行い、レンズの歪みの補正値を計測します。また、写真に写した既知点と基準点座標値の対応付けをします。

6. モデリング

専用の画像解析ソフトで解析を行い、3次元モデルや点群(ポイントクラウド)などを作成します。

7. データ出力

画像解析をすることで、DSMや三次元データ、オルソ画像、点群データなどを出力することができます。これらのデータは、GISソフトやCADソフトなどに取り込み活用できます。

ドローン空撮測量の精度

ドローン空撮測量の精度は、搭載するデジタルカメラの性能や飛行高度など、様々な要因によって変わります。

航空写真測量や航空レーザー測量は、公共測量作業規定によって、使用する機器や観測方法、精度管理方法が定められ、地図の情報レベルに応じた精度が設けられています。一方、ドローン空撮測量は、まだそのような規定や手法が定められていないのが現状です。

大林組の検証レポートによると、「精度は150mの高度からの撮影で,おおよそ6cm程度は確保できる」とのこと。

また、国土地理院が公開しているこちらの資料でも、ドローンによる空撮測量の精度を検証した結果や、精度を上げるための撮影方法などがまとめられているので、参考にしてみてください。

ドローン空撮測量は手軽さが魅力!目的に応じて選ぼう

ドローン空撮測量は、手軽で迅速な対応ができることが最大のメリットですが、精度についてはまだ航空機などを用いた測量方法には劣ってしまいます。測量には様々な方法がありますが、目的や予算によって最適な手段を選ぶことが大切と言えるでしょう。

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