リフォーム
2018.06.26

床のデザインで雰囲気が変わる!人気のヘリンボーン床って?

フローリングの床の場合、デザインによって部屋全体の雰囲気がガラリと変わることがあります。今回は、古く …

フローリングの床の場合、デザインによって部屋全体の雰囲気がガラリと変わることがあります。今回は、古くから建築に多く取り入れられてきたヘリンボーン床を取り上げて、その歴史や特徴について解説していきます。気になる施工費や、DIYでヘリンボーン床を導入する方法についてもご紹介していきますので、今後のリフォームの参考にしてみてください。

ヘリンボーン床とは

ヘリンボーン床と聞いても、今一つピンとこない方もいるかもしれませんね。ヘリンボーン床について、簡単にご紹介してみましょう。

歴史

ヘリンボーン床の歴史は古く、このデザインはヨーロッパの古い建物にもよく見られます。そもそもヘリンボーンは、洋服などのファッションアイテムでもお馴染みのデザインです。細い直線が互い違いに並ぶこのデザインは、ニシンの骨に似ていることからヘリンボーンという名称で呼ばれるようになりました。日本では、杉の葉をイメージした杉織や杉綾のデザインとして有名です。こういったヘリンボーンのデザインを、木材で表現しているのがヘリンボーン床です。寄木のテクニックを応用したヘリンボーン床は、ヨーロッパでは有名な建造物にはもちろん、一般の民家でも広く用いられてきた歴史があります。

ちなみに、フランスでは16世紀から宮殿のインテリアに使われてきたのが、この寄木の床です。例えば、ヴェルサイユ宮殿の鏡の回廊などは、寄木の床を取り入れていることでよく知られています。かつてのヨーロッパでは、大理石などの石が床材に広く使われていましたが、こういった石はメンテナンスに手間がかかるといった問題があります。そのため、より実用性に優れる寄木の床が普及するようになりました。ヘリンボーン床のように複雑な構造を持つ床は、施工にも一定の技術や手間を要します。したがって、費用もかさむ傾向があり、当初は上流階級などを中心に流行したデザインと言えます。

日本でも、文明開化以降は徐々に西洋建築が取り入れられるようになり、ヘリンボーン床のような西洋風の床を起用する建物が増えてきました。実際、政府要人をもてなす迎賓館などにも寄木の床が登場します。その後、一般の家庭でもヘリンボーン床を取り入れるところが出始め、瀟洒なインテリアを好む方から高い人気を得るようになります。1990年代以降、海外の輸入住宅が流行し始めたことで、日本ではヘリンボーン床の人気がさらに高まっている状況です。

ヘリンボーン床の特徴

ヘリンボーン床には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、メリットとデメリットを挙げながらヘリンボーン床の特徴をまとめていきます。

メリット

美しいデザインが楽しめるところは、ヘリンボーン床の大きなメリットです。このヘリンボーン床は、木の組み方にもさまざまなバリエーションがあり、選び方次第で室内空間を自由にアレンジすることができます。使用する木材の種類によって雰囲気が大きく変わりますので、インテリアにこだわりたいときにも、もってこいの床のアレンジと言えるでしょう。ヨーロピアンテイストのインテリアを、手軽に実現させてくれる点も見逃せません。また、木の風合いを楽しめるところも、メリットの1つに挙げられるでしょう。ヘリンボーン床は、無垢材などの良質な自然素材を使用することが多く、体にも優しいのが魅力です。杉やローズウッド、レッドシダーなどの天然の木材を使えば、日常生活の中でもリラックス効果が得られます。寄木のヘリンボーン床の場合、化学物質を多く使用する必要がなく、シックハウス症候群などが少なくなるという利点もあります。

デメリット

ヘリンボーン床は施工に手間がかかることから、費用が高額になりがちなのがデメリットです。無垢材などを使用した場合には、材料費だけでもかなりの費用がかかります。通常の床の施工とは方法が少し異なるため、施工費も上がるのが一般的です。天然の木を使ったヘリンボーン床は、湿度の影響を受けやすい点も少し考慮しておく必要があるでしょう。例えば、室内の環境によっては、長い間に木材が反るなどの変化が生じるケースもあります。木目を楽しむこのような床の場合、木に変形が生じると美観が損なわれることも考えられます。また、傷がつきやすい点も1つのデメリットになるかもしれません。何ら手を加えていない無垢材は、衝撃などの外部からの影響を受けやすいのが難点と言えます。住居用洗剤によってシミなどが発生する可能性もあり、日ごろの掃除の際にも少し気を配る必要が出てきます。ヘリンボーン床は、どちらかと言えば広い部屋に適したデザインです。狭いスペースや天井が低い部屋にこの床を取り入れた場合には、実のところ圧迫感を感じる可能性もあります。デザインに少しクセがあるため、室内のインテリアとの相性が1つの問題になってきます。

ヘリンボーン床の価格・施工費

一般的に、ヘリンボーン床の場合は完成するまでに時間がかかります。このような床を制作する際には、木を組み合わせる必要があるため、通常の床に比べて2倍から3倍の日数がかかると言われています。施工に要する日数が増えると、その分作業を行うスタッフの日当などがかかるのが常。ヘリンボーン床が高いと言われている背景には、こういったプラスアルファの人件費も少なからず関係しているわけです。

ある工務店では、ピュアヘリンボーンの床を直張りする場合、1平方メートル当たり4500円からの工賃で施工を行っています。コンパネ張りと呼ばれる作業も同時に行うときには、1平方メートル当たり7500円からです。こちらの工務店の場合、他の寄木のデザインよりもヘリンボーン床の工賃は、若干高く設定されています。1平方メートル当たり、工賃が平均1,000円ほど高く設定されているため、トータルの施工費もやはり上がるでしょう。実際にヘリンボーン床を施工するとなると、工賃とは別に材料費がかかります。ちなみにヘリンボーン床の材料費は、海外の材料を使用する場合には1平方メートル当たり10,000円前後といったところです。UV加工などをプラスすると、やや高めの金額になります。産地にこだわった木材を使用するときなどは、さらに価格が上がる可能性があるでしょう。

業者に依頼してヘリンボーン床に施工する場合は、こういった工賃と材料費を合わせた金額を考えておく必要があります。例えば、約10平方メートルの6畳の部屋を施工するときには、14万円から17万円前後の金額がまず想定できるでしょう。実際の施工費には、このほかにも諸経費などが含まれてきます。その家の構造や施工の方法などによっても金額は変わりますので、打ち合わせの際に見積りを出してもらい、よく確認することが大切です。施工費と工賃をお得なセット価格で提供している業者もあるため、リフォームを依頼する工務店の選び方次第で施工費は多少前後するかもしれません。

材料を購入して、既存の床の上に自分でヘリンボーン床を施工する場合は、基本的に材料費だけでリフォームができます。市販されているヘリンボーン床の材料の場合も、1平方メートル当たりの金額は10,000円前後です。使用する木の種類によって金額には多少差がありますが、大体はこのレベルの金額で床材を手に入れることができます。セール期間などを狙えば、さらに安く材料を入手することができるでしょう。

ヘリンボーン床のDIY・貼り方

市販の材料を使ってヘリンボーン床をdiyで施工する際には、大きく分けて2つの貼り方があります。

木材を貼る方法

ホームセンターや通販ショップなどで販売されている木材を購入し、ヘリンボーン床を施工していくのがこの方法です。このような市販の木材は、予め45度の角度にカットされており、現状の床の上にそのまま貼るだけでヘリンボーンのデザインが完成します。ただ、ヘリンボーン床の場合は、木材の並べ方に注意が必要。貼る際には、ズレが生じないように慎重に作業を行っていくのがポイントになってきます。緻密なヘリンボーン床を美しく仕上げるためには、プロが行っているように木材を床に仮置きするところから作業をスタートするのがベストでしょう。木材を置いていくときには、材料と材料の隙間に小さくカットした紙やビニールテープなどを挟んでおくと、きっちりと隙間なく並べることができます。バランスよく配置することができたら、接着の作業に進みましょう。スペース全体に隙間なく木材がおさまるような場合は、接着剤を使わずに済むケースもあります。こういった方法が可能なときには、賃貸住宅でもヘリンボーン床を気軽に取り入れることができます。貼り終わった後にオイルなどを塗っておけば、表面にツヤが加わり傷もつきにくくなるでしょう。

シートを貼る方法

ヘリンボーン床のデザインをプリントしたフロアシートを使えば、素人でもすぐにリフォームができます。この手のアイテムは、玄関や洗面所といった小さなスペースのプチリフォームにも大いに役立ってくれます。施工するスペースの広さに合わせてシートを購入し、準備を始めましょう。まずは目的の場所の寸法を計り、フロアシートを適当な大きさにカットします。シール式のタイプであれば、そのまま裏面についている紙を剥がして貼っていくことができます。水で濡らして接着するタイプの場合は、霧吹きなどを使えば作業がスムーズになるでしょう。フロアシートを貼る際には、接着する場所を予め掃除しておきます。ゴミなどが間に挟まってしまうと、フロアシートが上手く接着しないことがありますので要注意。仕上がりをよくするためにも、埃などをキレイに取り除き、表面を滑らかな状態に整えましょう。フロアシートは、貼るときに少しコツが必要になります。シートの端から少しずつ接着させていくなどの方法で、ズレを防ぐのがポイントです。接着面に空気が入らないように、へらなどで表面を滑らかにしながら接着を行っていきましょう。

ヘリンボーン床の実例

ヘリンボーン床は、いろいろなタイプのインテリアに取り入れられています。とくに増えているのが、フレンチシックやフレンチカントリーの住宅での導入事例です。例えば、ある大手住宅メーカーが施工した住宅では、玄関のエントランスの部分にこのヘリンボーン床を起用しています。こちらの住宅の場合、アーチ形の壁やステンドグラスを取り入れたフレンチスタイルのインテリアが特徴です。ホワイトでまとめた壁や天井のカラートーンに合わせて、床材にもナチュラルなベージュ、ブラウン系の木材が使用されました。

また、別な住宅では、シャンデリアなどを設置したゴージャスで重厚感のある部屋に、ヘリンボーンの床を使っています。ブラックの柱や壁に合わせて、やや深みのある飴色の木材をセレクトしているのがこちらの住宅のケースです。インテリアは、伝統的なヨーロピアンスタイルでまとめられており、シックで上品な雰囲気の部屋になっています。

13畳という広い部屋に、ヘリンボーン床を取り入れた事例もあります。こちらの住宅では、家族が集まるリビングをヘリンボーンの床で施工。無垢材を使い、ナチュラルな雰囲気で仕上げています。木の風合いがそのまま残り、仰々しさがないのが1つの魅力になっています。テレビなどの電化製品を置いても、どこか自然の息吹を感じさせるのが、こちらの住宅のインテリアです。

リノベーションでも、ヘリンボーン床は人気です。ある住宅では、マンションの1室にチーク材のヘリンボーン床を取り入れてリニューアルを行いました。無機質な印象になりがちなマンションの1室も、このような床を取り入れると雰囲気が変わります。この住宅の場合は、室内にレトロな雰囲気が加わり、ヨーロッパ風のオシャレなインテリアになりました。

ヘリンボーン床は、公共施設やオフィスの導入事例も少なくありません。例えば、国立科学博物館では、優雅な雰囲気のヘリンボーン床を館内に取り入れています。木の下地に糊や釘を用いて施工をしたのが、こちらの施設の事例。柔らかなカラーのヘリンボーン床は、実のところ一般の住宅のみならず、結婚式場やホテルなどの人が集まる場でもニーズが高まりつつあります。

床のデザインを見直して、室内をオシャレな雰囲気に!

ちょっとしたスペースに取り入れるだけで、部屋をグレードアップできるのが今回ご紹介したヘリンボーン床です。デザインが美しいヘリンボーン床は、インテリアに変化を加えたいときにもおすすめです。こういった床のデザインを導入する場合、プロに頼んで本格的に施工したい、diyでお金をかけずにリニューアルしたい、など、その方によっていろいろな希望があるでしょう。施工費や完成までの期間などを考慮しながら、ベストなアプローチを選んでみてはいかがでしょうか。